ISBN:4309405304 文庫 城 市郎 河出書房新社 ¥609

★★☆☆☆

かの有名な。
許されない恋の末に男を殺し、その男根を切り取って持っていたという阿部定のお話。
女の側に立った語り口調で書かれています。

愛しても愛しても手に入らない男を、殺して手に入れる。
それってすごいよね。
どれほどの気持ちなんだろう?

この阿部定という人は、思い立ったら即行動の人で、「次はあの仕事」と思ったら2日後にはそこで働いているような、そんな女性。

だから、この男のことも「欲しい!!」と思ったら一直線だったわけなんだろうなぁ。

定の気持ちも分かっちゃう自分もいるんだけど、やっぱりそんな・・・ちょっと落ち着こうよ。

いや、でも潔くて、まっすぐで、私は好きだ!!

照柿

2006年11月10日 読書
ISBN:406275259X 文庫 高村 薫 講談社 ¥650

★☆☆☆☆

読んでいてずーっと感じるのはあの暑い夏のうだるような感じ。
なんつーの、じとじとしててイライラする!!!

これは・・本を嫌いになりそうなぐらい、私にはきつかったですねー。
でもノロノロ最後まで読んだ。
せっかく借りたから。(貧乏性)

なにやら「マークスの山」を読んだ後に読むのがオススメらしいです。
この合田刑事がどっちにも出てるみたいね?

お話としては、平凡な生活を送る男野田と、亭主を刺した過去を持つ美保子と、美保子に一目惚れした合田刑事の嫉妬とかあてどない悩みとかがくだくだーと続いて、そこについに殺人が起きちゃう、という・・。

解説に【現代の「罪と罰」】と書いてあったけど、納得!!
私、中学時代に上巻でギブしたんでした。

あまり一般的でない悩みなので(嫉妬は別として)、共感も出来ないしさー。
うーん。

しかもね、なんか人物描写が乏しいと言うか。
全然想像できなかったんだよねー。それもまた進まなかった一因。

でもね、これだけのじとじと感を出せるってのはスゴイと思いますよ。
最後まで熱っぽいです。
ISBN:4198622035 単行本 宇江佐 真理 徳間書店 ¥1,680

★★★★★


これ、メッチャ好きです。ワタシ。
オススメありがとうございました!!!


料理茶屋の隠居清兵衛は息子に店を譲り、急にガックリ寝込んでいます。
そこに幼馴染の甚助が見舞いに来て、部屋のなかにいた妖しいモノを追い払うと、みるみる元気に。
それから甚助に誘われて清兵衛は「話の会」に参加し、江戸にあふれる不思議な話を知るようになる・・・

人の妬みがこの世のものではないものを産み出し、恐れる人、憧れる人、利用する人と様々。
このね、最初は他人事のように話していた話が、いずれ、当事者達が主役になっていくんです。
なんだかゾクゾクするんだけど、やめられない!!

で、終わり方が、ね。スゴイ。容赦ない!!

それがまた寂しくもあり、怖くもあり。

この人の本は、妖魔に見せかけた人間のズルさを書くものが多かったような気がするんだけど、このお話は正真正銘の不思議話。

解決・・・しないのねん!!と途中で気づく。

森のなかの海

2006年10月18日 読書
ISBN:4334737412 文庫 宮本 輝 光文社 ¥680

★★★☆☆

ドップリ読みました。
結構厚みのある上下巻なので、満足感あり。

順風満帆な人生を歩んでいた希美子。
ある日、大地震が起きて、希美子の住む地域は壊滅的な被害を受ける。
奇跡的に夫婦で助かった希美子だが、ほっとするのもつかの間、離婚することに。

そこにひょんなことから奥飛騨の山荘を譲り受け、2人の息子と移り住む。

ニュースで被災地で困っている近所の3姉妹を引き取り、その3姉妹を頼って7人の女の子達が転がり込み。

希美子の父と母と妹とその恋人と10人の娘たちと2人の息子。
山荘を譲った亡き孤独な老女と明らかになるその過去。

ひー。盛りだくさん!!
私、常時本は2冊持っていて、読み終わったら次の本に入るんだけど、この本は読んだ後に一人一人の生き方を振り返ってしまいました。

ちょっと次の本に入る気分じゃない、みたいな。

この人の本は、いつもそうなのね。

実の姉を「お姉さん」なんて呼ぶかよ!なんつー突っ込みドコロもあるけれど。

そうそう。最後にもしやこの二人は・・・?なんていうのをアッサリ打ち砕いてくれちゃうのも良かった。

人生ってそんなもんだよねぇぇ。

幸福な食卓

2006年10月5日 読書
ISBN:4062126737 単行本 瀬尾 まいこ 講談社 ¥1,470

★★★☆☆

父でいることを辞めた父親と、
一人で住んでいるけどよく家に来る母親と、
天才と言われていたのに大学に行かず農業をする兄と、
背が小さくて格別目立たない佐和子。

そんな4人家族のお話。

朝食は必ず全員が揃って食べるのが当たり前で、何でも言えるような仲良し家族。

ほわわんとした雰囲気です。

抱えているものはあるけど、みんながみんなに優しくて。

一番ほんわか読んでいるところで、いきなりすんごい衝撃がきます。
そう来るか・・・!

2007年新春に映画ロードショーらしいッス。
でも、映画にするには平凡すぎるような。

この、文章の感じが素敵なんです。
ISBN:4167640066 文庫 宇江佐 真理 文藝春秋 ?570

★★★★☆

おおお!髪結い伊三次シリーズ。第何弾なんだろう?

これって、「捕物余話」なのね。
捕物メインではない、と。

最後の「慈雨」の印象が強くて、他が思い出せないけど(笑
伊三次にも、子供が産まれて。
生真面目すぎるその性格にも変化が生まれるのね。
なんていうの、許せるようになる、って感じで。

私はこの最後の直次郎の話は読んでいないと思うんだけど。
なんだか切なくて涙が出るよー。

許すってすごく難しいよね。
しかも大きな出来事があって「こいつはイカン!」とか思っちゃうと、なかなかその人が変わってもこっちの印象って変わらない。

だけど、本当に変わることだってあるはずで。

だからって、ホイホイ許すってのもなんか違うし。

だから、やっぱり伊三次っていいよね。(?)

6ステイン

2006年9月28日 読書
ISBN:4062126419 単行本 福井 晴敏 講談社 2004/11/05 ¥1,785

★★★☆☆

俗に「市ヶ谷」と呼ばれる防衛庁情報局の仕事をする人々の短編集です。
要するに、国家のための暗殺とかそんな汚れ仕事をする人たち。
普段はサラリーマンや自営業をやっていて、呼び出されたら仕事をこなすってわけ。

あの・・こういう人たちって本当にいるんですか?
信じちゃ駄目?空想なの?

私が好きなのは「畳算」
切なくて。かっこよくて。
私は大切なものを守って信じて、一人で何十年も生きていけるかな。
・・・考えられない!無理!
だけど、そんな生き方も素敵だと思えるわけよ。

あのね。「亡国のイージス」に出てくる彼が出てきます。最後のお話に。
名前を聞いて、衝撃!!

読み応えはあるけど、個人的にはこういうお話はちょっと苦手。
ISBN:4101234175 文庫 恩田 陸 新潮社 2006/09 ¥660

★★★★★

やっぱり好きだわ。この人の本。

発売時に立ち読みして以来、ひたすら文庫になるのを待ちました。
待った甲斐は、ありましたよー!

映画化もされているので有名ですが。
一晩かけて80キロをひたすら歩く学校行事があるらしいですね。

もう、青春そのものなんだけど。
そうやって夜とか歩きながら色んな話をして、お互いを知って。小さな事件があって。恋をして。
っていうお話。

小さなミステリーというか。
ちょっとした謎なんかが散りばめられてて。
読み進むにしたがってちょっとずつあきらかになるんだけど。
今回のも、スゴイ!!

大事に大事に噛み締めながら読みました。
だって、相当待ったしね。

重力ピエロ

2006年9月20日 読書
ISBN:4101250235 文庫 伊坂 幸太郎 新潮社 2006/06 ¥660

★★★☆☆

あら。今まで読んだ伊坂作品とはちょっと毛色が違うような。

転がされる!と身構えて読んだから、「あら」と思ったわけだ。

テーマはとても重い。

母がレイプされて産まれた「春」。
そんな風に産まれて来た自分を、受け止められる?
犯罪を憎めば自分の存在を否定することになり、苦しむ春。
春を見守る主人公と、春を追いかける夏子。
癌に侵されながらも春を心配する父。

この、父親がものすごくカッコイイ。
こういう人間に私はなりたい。

今回は自分の他作品とリンクしてます。ちょっとだけ。
あれれ?この人はもしや!!みたいな感じね。一人で盛りあがる。

他の伊坂作品のような派手さはないけど、しみじみ読めます。

2006年9月12日 読書 コメント (4)
ISBN:4041437172 文庫 三浦 綾子 角川書店 1996/06 ¥483

★★★☆☆

もう、題名からして嫌な予感でしょ。

小林多喜二の生涯をその母の独白形式で語られていきます。

小林多喜二とは?
日本のプロレタリア文学の代表的な作家・小説家。
平和と民主主義の旗を高く掲げて活動したことで、特高警察によって虐殺された人物。

教科書とか出てくる系の人なのかなー?

さて、涙もろい人は、電車で読んではいけません。

多喜二はとにかく家族にとてもとても優しい人で。

だから、母はなんで多喜二がそんな死に方をしなければならないのかが分からなくて。
今でも苦しんでいて。

貧乏なんだけど、家族がお互いを想い合って生きていて、そんな家あるかよ!って思っちゃうぐらいなんだけど。
でも、そういう時代も確かにあったハズで。

この作家さん、私と相性がいいのか、とても読みやすいです。
なんかイヤミっぽくないし、くそー!狙いやがって!とか思わずに、ただただ泣ける。

ただ、前回の著書と同じで、最終的にキリスト教バンザイに繋がっちゃうところが、ちょっと・・・。
割と淡々と話は進むのに、その母がキリスト教の洗礼を受けようとしている・・ってあたりからちょっと熱くなっちゃってて。

でも、そのあたりのことも含めても、母親っちゅーのはスゴイな、と思える一冊です。

神様からひと言

2006年9月8日 読書
ISBN:4334738427 文庫 荻原 浩 光文社 2005/03/10 ¥720

★★★★★

一気に読んだ!!!
最初は、会社の話か〜(?)・・・と思ったけど、ぐんぐん引き込まれます。

大手広告代理店をクビになって、「珠川食品」に再就職した涼平。
最初の仕事でカッとなり、リストラ候補が集まる「お客様相談室」に配属となる。

そこにいたのは、個性豊かな面々で、鮮やかな手つきでお客様のクレームを片付けていく。
そんな環境の中で、涼平は大事なことを思い出してくのであったー!

もうねー、痛快だね!
最初が最初だっただけに、どんどんスッキリして。
最後にプッハー!!って感じで爽快に読み終わります。

厚みもソコソコあるし、読みやすいし。オススメです。

これ、随分前に借りて、忘れてて。
最近、本屋で押せ押せになってるのを見て思い出してメッチャ探したよ〜。
それから私が読んで返すわけだから、相当遅いよねー。
ココは読んでないと思うが、すまん。
ISBN:4101162018 文庫 三浦 綾子 新潮社 1973/05 ¥660

★★★★☆

これは良かった。
こう、自分の内面との葛藤のお話なんだけど、主人公が素直なせいかイライラしないし。

最後は不覚にも涙が出てしまいました。

ある男性の一生を書いたもので。
キリスト教を信仰するが故に祖母に追い出された母が、祖母の死をきっかけに家に戻ってくる。
キリスト教を認めることが出来ない信夫だけど、人生を歩んでいくうちに様々な人と出会い、考え、自分を変えていく。

ってな感じ。
こう書くとイマイチな感じだけど。
面白いんだって。

聖書の文とかが良く出てくるんだけど。
あとがき読んだら、キリスト教会?で出してる冊子に連載されていたものだそう。

そう言われれば・・・

空中ブランコ

2006年8月25日 読書
ISBN:4163228705 単行本 奥田 英朗 文藝春秋 2004/04/24 ¥1,300

★★★☆☆

電車のなかで何度もニヤニヤしちゃった。

「イン・ザ・プール」に引き続き、精神科医伊良部シリーズ第2弾。

空中ブランコに乗れなくなったフライヤー、先端恐怖症のヤクザ、
義理父のヅラを剥がしたい精神科医、ボールがまっすぐ投げられない野球選手、強迫症の作家。

相変わらず変な精神病の患者を相手する、丸っきり子供の伊良部。

何も考えていないようなのに、意外に鋭くて。
でもやっぱり何にも考えてないんだろうなー。

でも、愛すべき伊良部が私の中にいるのは確か。
やっぱりこれは太った人にやってもらいたい役だな。

次の「町長選挙」も気になります。しかし、ネットの評判はイマイチっぽいねー。
ISBN:4041753600 文庫 森村 誠一 角川書店 2004/05 ¥700

★★★★★

参りました!!
これはスゴイ・・・。

友達から借りた本のなかに混ざってて。
えー?と思ったけど、読んだらやめられませんて。これ。

幼い頃の体験が原因で、人間を信じられなくなった棟居刑事。
全ての人間を憎んで復讐することを誓い、刑事となって堂々と人を追い詰める道を選ぶ。

そんなある日、ニューヨークから来た黒人の男がホテルのエレベーターで胸を刺されて死亡しているのが見つかり、棟居刑事は捜査に乗り出す。。。

で、まぁ、様々な事件が混ざり合っていくわけなんだけど。

結局、人間が人間であること、ってのは、そうなんだよ!!って感じで。(わけわからん?)

棟居刑事が目覚める時に、むかーしの事件が一つ終わるの。
そこがとても印象的でした。
シガラミから解かれるっていうか、なんというか。

あー。いかったー。

義経〈下〉

2006年8月15日 読書
ISBN:4167663120 文庫 司馬 遼太郎 文藝春秋 2004/02 ¥700

★★★★☆

いやー、ずいぶん前に読み終わっていたんだけど。
覚えてる限りで。

頼朝はなんであんなにも義経を恐れたんだろう。
本人あんなに策略家で。
しかも、義経はかなりお馬鹿?で盲目的に頼朝を慕っていたんだから、もっとうまく使えばお互い幸せだったと思うんだけどな。

なんだか。うーん。義経が可哀想で。
彼を慕う人たちがいてくれてよかった。
まー、そう思うように書かれてるんだろうケド。

義経は、当時もある種アイドル的な存在だったんだねー。
なんだか分かる気がする。
私も都に住んでいたら一目顔を見ようと押しかけたでしょう!!

最後は結構尻切れな感じがしたけど。
静御前のその後とかも読みたかったな。
ISBN:404425303X 文庫 乙一 角川書店 2002/12 ¥480

★★★★☆

漫画ちっくな挿絵はいらないデス・・・
電車でエッチな本を読んでいるより、居たたまれない・・・。

ホラーなんだけど、なんだか切なくて心に響く短編集です。

怖いけど、怖いけど嫌いじゃない。
むしろ、好き?
でも、やっぱ怖い。

乙一さんは、(怖いから)もう読まないと決めてたけど。
本屋さんで最後の1冊だったので、買っちゃいました。

当たり!ではあった。
でも、夜はあまり読みたくないのねん。

---

23時過ぎまで仕事。
うぅう。仕事嫌い。

でもって、帰りにたこ焼き買って、帰ってビール飲みつつ食べて。

太るよー!!!

分かっちゃいるけどやめられないね。

義経〈上〉

2006年7月24日 読書
ISBN:4167663112 文庫 司馬 遼太郎 文藝春秋 2004/02 ¥700

まだ上巻だけです。
だーってなかなか進まないんだもーん。
てわけでノロノロ読んでます。

上巻はあまり義経が登場しなくて、その周りのお話が多いです。
もちろんそれを知らないとこの先続かないんだけど。

義経って私のイメージとは全然違うんだよね。
タッキー・・とまでは言わないけどさ。
なんか、それなりなのかなーと。

でも、ずいぶん小さくて、顔はそうでもなくて。でも涼やかだとか。

私は歴史全然駄目で。
そんな私の義経のイメージは、兄が好きでしょうがなかったのに、利用されたかわいそうな人って感じなんですわ。
なので、なんかあまりいいことが待ってない気がしてなかなか進まない。

どうなんだ、義経!

歳三からの伝言

2006年7月7日 読書
ISBN:4062748304 文庫 北原 亜以子 講談社 2004/08 ¥660

★★☆☆☆

土方歳三はさー。やっぱカッコイイよね。

でもねー、私の土方像は完全に「燃えよ剣」なわけで。
この本は、いかにも女の人が書いた!って感じの土方なのよ。

ま、確かに実際相当モテモテだったらしいけど。
おイタ的な話ならいいけどー。
なんか恋愛真剣な土方はあまり知りたくないわ(笑

この本は、新撰組の一番いい時期はあえて切り捨てて、伏見街道で近藤勇が襲撃されたあたりから始まっています。

もう、だから近藤と別れてから、時代の流に乗れずに、武士として死ねる場所を探して彷徨う土方にスポットを当ててるわけですね。

もっと楽な生き方あったと思うけど。
だけど、それがまた土方らしくて。
たまらないです。

ちなみに私は斉藤一が好きッス。

いっぽん桜

2006年7月5日 読書
ISBN:4101213410 文庫 山本 一力 新潮社 2005/09 ¥500

★★★★★

これ、好きですね。
とてもとても。

温かくて粋なお話達です。

お花の名前を使った題名の4編の短編が収録されています。

なんかね。
絶対に裏切られません。

あと、前向き。
これ、大事。

富豪刑事

2006年6月29日 読書
ISBN:4101171165 文庫 筒井 康隆 新潮社 1983/01 ¥460

★★☆☆☆

これって、あれですよね。深キョンのドラマの。
結構人気あるらしいとか聞くけど。
しかし、観たことはない。

でも、小説は主人公男なんですね。
神戸大助だっけ?

んーと。まぁ、推理とかじゃなくて。
いかにお金を使うか。ってのがメインなわけなので。
そこら辺りは発想が面白い!
もう、常識を超えてるもんね。
周りにいる刑事達の反応がイイ!

うーん。でも、なんていうか、作者のナレーション?が結構入ってきて。ちょっとウザイ?

あー。今日はもう疲れたー!!

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