ISBN:4101074011 文庫 尾崎 紅葉 新潮社 1969/11 ¥740

★★★★☆

久々にユニコーンなんて聴いてたら
「僕はカンイチ 君はオミヤ この世はまさに大迷惑♪」ときて。

とーっても懐かしかったわけですが、貫一とお宮といえば「金色夜叉」。
でも、どんなお話だっけ?と思って古本屋でゲット。

なんとなく、会いたくて一目見たくて女が町に火をつけるようなお話だった気がしましたが、全然違いました。
それは何のお話でしたっけ?
確かガラスの仮面でマヤが演じた・・・。

まぁ、いいや。

この本には、

金色夜叉
続金色夜叉
続続金色夜叉
新続金色夜叉

が収められています。ずいぶん続いたんですね。

結局完結する前に作者が亡くなったそうで。
最後はどうしたかったのかなー。

さて、文体は昔のものでひっじょうに読みにくい!
でも、不思議と読んでると読めるようになるもので。
最初は、お宮の描写も美人なのかそうじゃないのか、それすら読み取れなかったのに、今、遡ってみたらどこでそんなに悩んだのか分からないぐらいスラスラといけました。慣れってやつか。

貫一とお宮は将来結婚することが決まっていたのですが、お宮はその美貌故にお金持ちから求婚されちゃうんですね。
実はひそかに自分の容姿が武器になることを意識していたお宮は、その十分すぎるお金持ちのお相手に心を傾けてしまう。
熱海の海岸で貫一はお宮を問い詰めるけど、お宮の心はもう戻らない。
貫一はショックを受けて、金銭の鬼となり高利貸しの手代となる。

お宮は、結局貫一を愛していたことに気づき、貫一に働きかけるけど、貫一はどうしても許すことができない。
最後、お宮の手紙を読んだ貫一は・・・

・・・いつもこの時代のものを読むとイライラすんだよね。
お宮って、一体・・。

ま、自分の気持ちが分からなかったのはしょうがないかもしれないけど。
選んで嫁いだ相手にはヒドイ態度だし、貫一を見つけて取り戻すのに、親を使ったり。
しかも、目覚めが悪いから・・とか嘘ついて、親を泣き落として。
それがだめなら、今度は貫一の元親友に頼んでみたり。

貫一に会ったら「私を殺して!」とか言っちゃって。
お前・・・何様なんだー!
貫一は「自分で死ね!」と言い放ちました。よしよし。そうだろうそうだろう。

でも、貫一もお宮も可哀想だね。
どうして、そんなにまでしてその相手じゃなきゃダメなんだろう。

コメント

ソノ
ソノ
2007年4月9日0:01

会いたくて火を付けるのは、八百屋お七ですねー。
お七の原典は井原西鶴の『好色五人女』だす。

くねこ
くねこ
2007年4月11日0:02

あー!そうでした!
お七だ!!
ふー。スッキリ。
ありがとうございます。
では、今度は『好色五人女』を探してみます。
読んでみたい。

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