人前式

祝婚歌
吉野 弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい

そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい


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麻布のレストランにて、後輩くんの人前式に参列しました。

人前式って初めてだったんですけど、
教会式みたいな感じですね。
式によって違うのかな。

新郎新婦は既に一緒に住んでいて、彼女の飼っていた犬と猫をとても可愛がっているとは聞いていました。

ええ。新郎入場時、飼い犬を連れてきました。
ワンコと新郎が待つ中、新婦が父親と入場。

席次表の新郎新婦の横にワンコの名前。
もう、席にいる間はずーっとワンコを抱っこしてました。
まぁ、既に子供がいる人だと思えば違和感なく。

最初は隠し子か？！って会社関係の人たちと（小声で）騒いでましたが、すぐ納得。

いやー、いっつもくっだらないこと言ってる後輩君の
凛々しい頼りがいのある顔。
初めて見ました。
守る物があるってこういうことかな、って思うような。

幸せになって欲しいですね。
そんでこれからも会社でお世話になります。

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冒頭の祝婚歌は有名な詞ですけど。
最近改めて見て、改めていい詞だな、と思いました。

後輩君のために、自分のために。
友達にだって当てはまる。
心に留めておきたい詞ですねー。

ちなみにこの詞、著作権フリーらしいです。
民謡のように語り継がれていって欲しいという作者の願いが込められているんだとか。