ISBN:4334738397 文庫 白石 一文 光文社 2005/03/10 ¥650

★☆☆☆☆

ハードカバーの時に立ち読みをして「単行本が出たら買おう!」と思っていたので、本屋で見つけて即購入。

なんというか、とてもアタマが良くて、生きることに不器用な主人公(「彼女の言葉には責任感がない。反論にならない反論をして、したり顔で笑ったり茶化したりする。オレはそれがどうにも我慢ならない」みたいなことをいう)が、悩みながら生きていく恋愛小説っていう感じ。(説明めちゃめちゃ)

「こいつらみんな分かってない」って思いながら、自分をとても正当化してて、
面倒になると「お説教はもうたくさん」とか言って逃げて。
でも、逆に相手がそんな事言ったらものすごい揚げ足取りそうなタイプ。
(私は絶対に絶対に付き合えないというか、お近づきになりたくないタイプ)

こういう主人公って、割と完璧だったりして「いるかよ、こんなやつ」と思うんだけど、
この人は神経性なんとかになってたり、自暴自棄になって倒れたりして、その辺妙に好感が持てる。

生きることや死ぬこと、色んなこと、をこんなにいつも突き詰めて考えていたら、人生疲れちゃうだろうなぁ。
前に私の好きな「絶望に効く薬」by山田玲司さん に出てきた失敗学会の人は「あの時はそう言ったけど、今はちがうもーん」って言えればいい。と言ってたのを、ふと思い出しました。
そのくらいで生きていかないと、ツライんじゃないかなぁ。なんか読んでて疲れる。

最後、この主人公は諦めることを、相手に委ねることをちょっとだけ知るんですね。
ホントにちょっとだけ。
それで、なんとなくホッとして読み終わります。

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